作家とAI — スタディ

この方針を決めるまでに、
調べたこと

「なぜ作家が、AIと組むのか」のページは、できるだけ平たい言葉で書きました。このページはその裏付けです。決めるまでに調べた研究・データ・規約と、考えた道筋を、出典つきで残しておきます。
ここまで読む方は多くないと思います。でも、読みに来てくださったあなたのような方にこそ、開いておきたいページです。

一、AI の使用を、なぜ「先に」言うのか

組織行動学の研究 (Schilke & Reimann, 2025, OBHDP・13 の実験) によると、AI の使用を自分から開示すると、短期的には信頼がむしろ下がります。それでも、第三者から「隠していた」と暴かれた場合の信頼低下は、それを上回ります。低下の原因は「この人のやり方は真っ当か」という感覚の揺らぎ——だから、事実だけでなく理由ごと開示するのが、いちばん誠実で、いちばん合理的だと考えました。
日本の消費者調査 (シエンプレ、2026 年 1 月) では、84.3% の方が AI 利用の明記を望み、不快に感じる理由の第 1 位は「AI であることを隠している時」でした。
一方で、クリエイティブ業界では AI を活用する企業の 71.4% が公表していません (アマナ調査)。biw.studio は、公表する側に立ちます。信頼を売る仕事だからです。

二、分業の詳細 — 物語設計メソッド 5 工程との対応

工程担い手具体的に
聴く人間対話・観察・「何に困っているか」の発見。AI は入りません
核を立てる人間「何を売るか」の一文を決める判断。AI は壁打ち相手まで
普遍へ翻訳する人間が主・AI が従構成と言葉の設計は人間。AI は別案出しと下書きの展開
整える手と、持たせる手AI が主・人間が監督コードの実装・組み上げは AI が高速に。人間は指示と確認
等身大の信頼で締める人間全数検品 (事実・著作権・要件適合)・納品・責任

三、お客さまの情報の扱い — 技術的に正確な話

中心に使っている Claude (Anthropic 社) は、会話データをモデルの学習に使うかどうかを利用者が設定で選べます。biw.studio では、学習への提供を止める設定 (データプライバシー設定) で運用しています
ただ、正直に書きます。この種の設定は提供元の規約に依存し、規約は将来変わりえます。だからこのサイトの約束は「設定にしてある」で終わらせず、わたし自身の行動で担保しています——お客さまの機密 (顧客名簿・売上・個人情報など) は、設定に関わらずそもそも AI に入力しない。AI が扱う範囲は、お仕事の前に必ず合意する。また、御社のシステムに AI を組み込む場合 (日報の下書きなど、お客さまのデータに AI が触れる仕組み) は、学習に使わないことが契約で定められた事業者向けの仕組みで作る。
秘密保持契約 (NDA)・データの国内保管・契約終了時の全データ返却は、運営者情報のページの約束のとおりです。

四、使っている道具と、選んだ理由

中心は Claude (クロード)。開発元の Anthropic (アンソロピック) 社は「AI の安全性の研究企業」を掲げ、Claude を「安全性、正確性、セキュリティを兼ね備えた、信頼できる AI アシスタント」と公式サイトで説明しています。
長い文章の一貫性とコードの品質。データの扱いを利用者側で制御できること。そして事業者向けに SOC 2 や ISO 27001 といった国際的なセキュリティ基準への準拠を公表していること——これが選定の理由です。
確認の工程には別系統の AI も通しています。作る目と確かめる目を分ける——制作と検品を同じ目に任せない、という品質管理の基本を、AI 同士にも適用するためです。
道具は進化のたびに見直し、入れ替えます。このページの内容も、そのたびに書き直します。

五、ルールとの関係

各仕事場のルールも確認した上で運用しています。クラウドワークスは「AI 利用を意図的に隠さないこと」を明文化し、Fiverr は「求められたら開示」を条件にしています。ココナラは一部カテゴリで AI 生成物の出品を制限しています (biw.studio の受託制作はこの制限に当たりません)。どのルールでも「積極的に公表する義務」まではありません——公表は義務ではなく、biw.studio の選択です

さいごに

調べて分かったのは、「AI を使うか」よりも「どう使い、どう責任を持つかを語れるか」の方がずっと大事だ、ということでした。
その責任の置き場所は、はっきりしています。この仕事の最終責任者は、AI ではなく、わたしです。
このページは、道具が変わるたびに、正直に書き直していきます。